冷蔵庫は24時間365日稼働している家庭の“隠れ電力消費モンスター”。家庭の電気代の約13~14%を占めているとも言われています。

「そんなに電気代を食ってたの⁉」と驚く方も多いのではないでしょうか。

でもご安心ください。ちょっとした使い方の見直し配置の工夫で、冷蔵庫の電気代は驚くほど下げられるんです。

この記事では、今日からできる冷蔵庫の節電・節約ワザを10個紹介します。さらに、年間どれくらい節約できるのかも試算してみました。

冷蔵庫が電気を食う理由

冷蔵庫は「24時間動きっぱなし」という点で、エアコンやテレビよりも稼働時間が長い家電です。つまり、ちょっとした無駄も年単位で見ると大きな出費に。

特に古い冷蔵庫・大きすぎる冷蔵庫・詰め込みすぎの冷蔵庫は、電気代が跳ね上がる原因になります。

ここからは、設置方法・使い方・中身の詰め方別に、節電ワザを紹介していきます。

冷蔵庫の節電ワザ【設置編】

① 冷蔵庫の「放熱スペース」を確保する

冷蔵庫の側面や背面には放熱口があります。壁にベタ付けしてしまうと熱がこもり、冷却効率が悪化。5cm以上のすき間を空けるのが理想です。

② 日当たりの良い場所はNG!

窓際や直射日光のあたる場所に置いていませんか?庫内が温まりやすく、コンプレッサーが頻繁に稼働してしまいます。できるだけ日陰に配置しましょう。

③ 床の傾きに注意!水平に置く

冷蔵庫が傾いているとドアの密閉性が下がり、冷気漏れの原因に。水平器でチェックし、アジャスターで調整しておきましょう。

冷蔵庫の節電ワザ【使い方編】

④ ドアの開閉は最小限に

ドアを開けるたびに、冷気が一気に逃げてしまいます。開ける時間は10秒以内を目安にし、必要なものをまとめて出し入れしましょう。

また、ドアの開閉回数を抑えることが重要です。頻繁に開け閉めすることで、冷蔵庫内の冷気が外に逃げてしまい、その度に温度が上昇します。それにより、冷蔵庫は再び設定温度に戻すために多くのエネルギーを使わなければならず、結果的に電力の消費が増えることになります。したがって、開閉回数を最低限に抑えることが、省エネの鍵となります。

冷蔵庫から必要なものを取り出す際には、あらかじめ何を取り出すかを決めておくと良いでしょう。そうすることで、ドアを開けてから物色する時間が短縮され、冷気の流出を最小限に抑えることができます。また、頻繁に使う食材を手前に置き、見つけやすくする工夫をしておくと、一層効率的です。

さらに、冷蔵庫の開閉を減らすテクニックとして、リストを活用することもおすすめします。例えば、冷蔵庫の扉にメモを貼り、そこにストックしている食材や必要なものを記載しておくと、ドアを開けずとも内容を確認できます。これにより、何がどこにあるかを一目で把握でき、効率的な食材の取り出しが可能となり、開閉頻度を抑制するのに役立ちます。これらの小さな工夫を通して、冷蔵庫の消費電力を減らし、電気代の節約につなげましょう。

⑤ 冷蔵庫の温度設定を見直す

冬場に「強」設定のままでは冷やしすぎ。春・秋・冬は「中」や「弱」で十分です。

冷蔵庫を効率良く使用するためには、設定温度を最適化することが重要です。
冷蔵庫内部の理想的な温度は通常、3~5℃とされ、冷凍庫は-18℃以下が目安とされています。

これは食品の鮮度を保ちつつ、エネルギーの消費を最小限に抑えるための温度です。
季節によって外気温が変動するため、その都度温度設定を見直し、必要以上に低く設定しないようにしましょう。

例えば、冬場は外気温が低いため、設定温度を少し高めにしても食品の保存が可能ですし、電気代の節約にも繋がります。
逆に夏場は外気温が高くなりがちですが、必要以上に低温設定にしないことで、過剰な電力消費を防ぎます。

このように、冷蔵庫の温度を最適化することは、家庭の電気代を抑えるだけでなく、パフォーマンス向上にも繋がります。
少しの工夫で大きな節約効果が期待できるため、定期的な温度確認と調整を心がけましょう。

⑥ 自動製氷をオフにする

意外と電気を使うのが自動製氷。使用しない時期はオフにすることで、年間で数百円〜1000円程度の節電が可能です。

⑦ 「チルド」「野菜室」などの活用を見直す

温度の違うゾーンにムダに食品を入れていませんか?チルドに常温食品を入れるなど、不要な低温エリアの活用は避けると◎。

冷蔵庫の節電ワザ【食材収納編】

⑧ 冷蔵室は「7割まで」がベスト

詰め込みすぎは冷気の循環を妨げ、庫内の冷却効率を下げます。理想は7割収納。余白を作るだけで電気代が節約できます。

冷蔵庫内で電気代を節約する鍵の一つとして、効率的な収納を心がけることが挙げられます。冷気を行き渡らせるためには適切なスペースを確保することが重要です。物を詰め込み過ぎると、空気が滞留して冷却効果が低下します。

収納のベストプラクティスとして、まず冷蔵庫内がほどよく埋まっている状態を目指しましょう。詰め込み過ぎないように注意しながら、適度なスペースを作ることがポイントとなります。つまり、冷気が効率よく循環する環境を整えることが大切です。また、冷蔵庫内を満たすために、エコな保冷剤を活用するのもおすすめです。保冷剤は無駄な空間を埋め、冷気保持に役立ちます。

物を整理する際には、すぐに使用しない食品や長期間保存する必要がないものは取り除き、日常よく使うものを取り出しやすい位置に配置します。これにより、冷蔵庫を開けた際に迷う時間を減らし、冷気が逃げるのを防ぐ上で効果的です。

さらに、冷蔵庫内の過剰な空間も電気の無駄遣いにつながりますので、適度な配置バランスを常に考慮することが重要です。日々の少しの工夫で効率的な収納が実現できるので、電気代の節約に貢献することができるでしょう。

⑨ 冷凍室は「パンパンに詰める」

冷蔵とは逆に、冷凍庫は隙間なく詰めた方が冷気効率が上がり節電になります。凍った食材同士が保冷材の役割を果たしてくれます。

⑩ 収納ケースや仕切りを使って整理整頓

何がどこにあるかわかりやすくしておくと、ドアの開閉時間が短縮されます。100均の透明ボックスや仕切りケースが大活躍します。

+αの節約ワザと年間節電額の目安

■ 年式が古いなら「買い替え」が節約になる場合も

2008年以前の古い冷蔵庫をお使いの場合、最新モデルに買い替えるだけで年間1万円以上の節電効果が出ることもあります。

■ 年間節電額の試算例

  • 開閉短縮:年間 約500円
  • 温度設定見直し:年間 約800円
  • 放熱スペース確保:年間 約1000円
  • 冷凍室活用・整理整頓:年間 約700円
  • 製氷機OFF:年間 約600円
  • 合計:約3600円〜5000円の節電効果

まとめ:冷蔵庫節電は、実は「家計改善の近道」だった

冷蔵庫は一見地味な存在ですが、24時間稼働し続けているからこそ、わずかな工夫の積み重ねが大きな節約につながります

今日からすぐに実践できる方法ばかりなので、ぜひ1つでも多く取り入れてみてください。

  • 放熱スペースを確保
  • ドア開閉を減らす
  • 冷蔵は7割、冷凍は満杯
  • 古い冷蔵庫なら買い替え検討も

家計の見直しは、まず「固定化された支出の最適化」から。

冷蔵庫節電は、まさにその第一歩です。

節電×整理整頓で、暮らしも気持ちもスッキリさせましょう!